膝蓋骨脱臼


-トイプードルのかえでの膝蓋骨脱臼闘病記です−


ある日家に帰ってみると、いつもはリビングの入り口で、とても陽気にお帰り!のダンスを踊ってくれる、トイプードルの女の子かえでが、
腰を抜かし立てない様な状態になっていました。
私はパニックになりながら、かえでの後ろ足の筋肉を触ってみると、足の太ももの筋肉の中にゴルフボール大の塊があることに気付きました。
(でも、その塊は、病院に慌てて電話をしてから、再度触ってみると、跡形もなく消えていました。)
すぐに病院に行って、診察していただきました。診察の結果、どうやら人間で言うコムラガエリの様な状態だったようです。

でも問題は、コムラガエリではなく、かえでの体には、他に大きな問題があることが判りました。
実はかえでは、成長期の最後の方(生後9ヶ月ごろ)に突然大きくなったのです。
多分それが原因だと思いますが、足の骨の成長に筋の方の成長がついていけなくて、お皿についている筋肉にお皿が引っ張られて膝蓋骨が、
内側に外れコキコキ音が鳴るのです。
(そのコキコキ音は、お皿が溝からずれる時に、鳴る音です。)
とりあえず、お医者さまの勧めで、毎日低出力レーザーを当てることになりました。
10日程レーザーを当ててみて、それで効果が現れなければ、手術となると言われました。
かえでの手術は、かえでの膝にはちゃんと滑車溝があるのですが、抜けにくくする為に滑車溝をお皿に見合った形に形成し、長さが足らない筋肉の筋を
一度切断し、正常な位置に固定しワイヤーで留めるといった感じです。

複雑で大変な手術を、こんなに小さくて細い足に行うのはとても心配でした。

レーザー光は普通の光とは違いどこまでもまっすぐ進む光で、その光が体の中を通過するときに体をもとの状態に戻そうとする作用があると言われています。
低出力レーザーの効果は針やお灸の東洋医学的な効果に近いそうです。

膝蓋骨脱臼のレベル表(目安)

グレードT
膝を十分に伸ばした状態で膝蓋骨を押す事により内側または外側に脱臼するが、手を離すと
正常に戻る。このレベルでは無症状か時々足を上げた歩行がみられる。

グレードU
膝を曲げるか手で押すと膝蓋骨は脱臼するが、膝を伸ばすか手で押せば整復する。

グレードV
膝蓋骨は常に脱臼している状態で、手で押すと整復するが手を離せばまた脱臼する。
明らかな歩行の異常がみられる。

グレードW
膝蓋骨は常に脱臼している状態で、手で押しても整復されない。重度に変形しうずくまった
姿勢で前足だけで歩行するようになる。

かえでの足は、両足とも上記のグレードVに近い状態だという診断でした。


とにかく、毎日毎日2週間続けて1日も欠かさずレーザー治療に通いました。
でも、目立った効果も現れず、再度撮ったレントゲンを見てもうしばらく様子をみてから手術となる言われてしまいました。

この頃は、本当に良くなるのかとても心配で私の方が完全にノイローゼ状態で、元気に跳ね回ることが大好きな子なのにと、毎日のように涙していました。


私が落ち込んでいたら何も前に進まない、何か私に出来ることは無いか!と思い直し、いろいろサプリメントを探して何種類も購入しました。
やはり、まず一番によく話しに聞くのがグルコサミン。でもグルコサミンといっても様々なメーカーからいろいろな物が出ています。
いろいろ、探した結果アメリカのペットプロダクツニュースという業界紙の賞も受賞していて、犬のグルコサミン含有商品としては、
とても成分の配合のバランスが絶妙でとても評判が良いという商品を見つけました。
商品名はアースリスージ。
それから、【アースリスージ】と一緒に与えるととても良いと言う、筋肉を柔軟にしてコラーゲンおよびグルコサミンの構成物であり、
抗炎症作用、痛みの信号を抑えるなどの働きがあるという、【MSM】。

炎症を抑えS.O.Dが腱や筋肉の衰えをカバーするという、【S.O.D&ボスエリア】。
この3種類サプリメントに決めてを与えることにしました。


このサプリメントを与えだしてから、2週間後。
先生が『あれれ?おかしいな?』
『膝のお皿が外れないな。でも日によっていい日や悪い日もあるからね』とおっしゃりだしました。
(丁度サプリメントの効果が現れると言われていた2週間目の出来事でした。)
でも、やはり手術はした方がいいので、次の週来た時に日取りを決めましょうということになりました。


それから更に1週間後・・・
『やっぱり以前より明らかに外れにくいな、この程度までなら手術しないでもいいかも』と言われました。
私は本当に驚きました。
『このまま1ヶ月、今の状態を保つことができれば手術の必要は無し』
今は、様子を見ているところです。このまま良くなってくれるといいのですが、油断は禁物です。

治療についての感想
低出力レーザーはかなりの効果があるんだろうと思われます。
悪かった方の足に重点的にレーザーを当てていたので、悪かった方の足が、マシだった方の足よりも調子が良くなっているのです。

それに、サプリメントもかなりの効果があったのだと思います。
(与えだしてから2週間くらいで効果があると言われていて、丁度2週間で驚くくらい具合がよくなりました)

自分で出来る予防にはサプリメントが一番有効だと思います

でもサプリメントは薬ではありません。あくまで良くなる助けをする、そして悪くならないように予防をする物です。
レベルが高い膝蓋骨脱臼は、手術で治さないとサプリメントで補助することは出来ても進んでしまった脱臼を完治させることはできないのです。
(サプリメントで外れやすく出来てしまっている関節の構造を変えることはできないので、飲ませていて調子が良くなっても、体重管理、過剰な運動の制御は必須です)
まだレベルが低く、年齢が若い子の健全な成長のサポート、長い間脱臼が続き関節炎症を併発している場合が多い年齢が高い子の予防にもとても有効だと思います。
手術を受けた子も、サプリメントは必須だそうです。
片足だけの手術を受けた子は更に必要だと思います。
(手術して調子が良くなると無理をしたり、手術をしていない方の足に負担がかかり悪くなる場合も多いそうです。)

足を上げるなど症状らしきものが見られる場合は、自己判断はせず、できるだけ早く膝蓋骨脱臼を熟知している先生に診てもらって下さいね。


その後、かえでは足をあげるという仕草見る事はなくなりました。
サプリメントはあれからずっと続けています。


この病気の予防・治療において大切だと思うこと!

●若いうちに(成長期だと、骨や筋肉が柔軟なので)発見してレーザーやサプリメントを与える事で、かなりの効果があるそうです。
今はなんとも無くても、子犬を迎えた時に、レントゲンや触診でお膝の状態を診ていただくと良いと思います。

●トイプードルやパピヨンなどは、ジャンプしたり、立って歩いたりという行動が多いので、他の犬種よりも脱臼しやすいので、なんとも無くても
予防としてサプリメントは与えているといいようです。
私も、どうしてもっと早くから膝蓋骨脱臼に詳しい病院で診察を受け、予防の為にサプリメントを与えていなかったのか本当に後悔しました。

●ソファーの昇り降り、階段の昇り降りは出来るだけしない方が良いようです。
もしソファーの下がフローリングの場合は、降りたときに足が滑らないようにカーペットを敷いた方がいいと思います。
それから、フローリングの犬が滑りやすい場所にも、吸着するタイルカーペットを敷くといいかもしれません。


●今なんともない子も気をつけてください!かえでも何度も病院で触診を受けていましたが大丈夫だと言われてきました。(音が鳴っていたのに)
診て頂く先生によって診断される膝蓋骨のグレードも全然違いました。
年齢が若い場合は特に、その後の骨格形成に大きくかかわりますので、早めに診ていただくのが良いと思います。

私自身も、テーブルから平気で飛び降りたり、ソファーから大ジャンプ、公園でも凄い速さで走り回るかえでを見て、最初はそんな酷いわけ無い!
こんなに元気なのに、足が痛かったりお皿が外れていたら走れるわけ無い!と思っていました。
でも、犬と人間は全く違うらしいのです。
犬は人間よりも遥かに痛みに強く、しかも4本で歩行しています。
人間は足2本にすべての体重がかかります。小型犬は前足の方に重心がある上に4本なので、おかしい足をかばうことができるそうです。
体重が軽い子は特に、足のお皿が完全に外れたままの状態でも、平気にジャンプしたり走ったり出来るそうです。
症状が出ていないと飼い主さんが思っていても、触診するとお皿が緩い子が結構いるそうです。

パピヨン、トイプードル、チワワ、ポメラニアン、ヨーキーなどは約80%の子が膝蓋骨の可能性を持っていると聞かされ、本当に悲しくなりました。
でも、滑らせない、ジャンプは控える、サプリメントで予防する、体重を増やさない、これだけでも全然違うそうです。

この病気には、早期発見と予防がとても大切だと思います。
このページを読んで少しでも、辛い思いをする子が減ってくれたらいいのですが・・・


先生に教えていただいた、膝蓋骨脱臼になりやすい、もしくは骨の変形がある子の発見方法

まず、犬を人間の子供に高い高いするような感じで抱き上げます。
その時に、足の状態を良く見てください。
正常な犬は、股関節の位置と膝関節の位置が平行にあります。
おかしい場合は、人間で言うO脚のようになり股関節幅よりも、足先の幅が狭くなり、酷い場合は足先がクロスしたり、
人間で言うエックス脚の様に膝の部分が付いていて、足先が離れていたりします。
正常な足は、股関節と膝関節が平行になっているものだそうです。
(わかりにくいと思いますので近日中に画像をアップしますね)
こういう足の子は脱臼になりやすい、もしくはなっている子が多いようです。

この見方がすべてが当てはまるわけではありません。
この方法で確認できる場合は、足の変形が進んでいる状態の子なので、初期のグレード1、2の子は
この方法で確認することは難しく、膝蓋骨を熟知した先生の診断が必要となります。

その他
・後ろ足を屈伸させた際に、コキコキ音がなる。
(この音は、足の溝からお皿が出たり入ったりしている音だそうです。本当に酷くなるとお皿の溝がなくなるので音もしなくなることがあるそうです)
・スキップのような歩き方をする時がある。
・足をバレリーナのように後ろに上げることがある(外れたお皿を自分ではめているのだそうです)


私は、本当に良いものを皆さんにも使って欲しいと思っています。Dogs1stもそういう思いからスタートさせました。
今まで、ショップに紹介してきたサプライ商品はすべて、使ってみて本当に良いと感じたもの、効果があったものだけです。
今まで、私の愛犬のパピヨン、トイプードルに膝蓋骨脱臼がとても多いとは聞いていましたのである程度の知識はありましたが、
ここまで詳しく調べることはしていませんでした。
自分の愛犬が2匹とも、この病に掛かっていると判って初めて真剣に、膝蓋骨脱臼について調べ、そして考えました。
まだまだ、未熟な知識ですが、少しでも同じ病で苦しんでいる人の助けになれたらと思っています。
これからも、頑張って良い物を探していきたいと思っています。


何か困った事がありましたら、メールくださいね!
大したことはできませんが、きっと辛いお気持ちは理解できると思います。。。

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